空条浩の小説と読書ともろもろ

ここでは小説の他にも読書についてや、興味を持ったことについて投稿する予定です。

【400字小説】自動割引シールマシーン

ついに小売業の人手不足を解消するための画期的な発明「自動割引シールマシーン」が完成しました! AIを搭載しており、学習させることでお惣菜やお刺身なんかの割引を全て自動で行ってくれます! さ・ら・に、決まった時間に対象の商品に割引シールを貼るだ…

【ショートショート】 バナナ熱には向かない季節

市内の街路樹はもう桜が咲いているというのにこの森ときたらまだ雪景色のままだった。木々は感情も風情もなしにそこらに立っている。昼間なのに薄暗く、空気中の水分は肌を刺すような冷たさ。今の私にとってはうってつけなのかもしれない。 この森は「死に方…

【ショートショート】昨日の歌

昨日聞いた曲を思い出せない。職場の飲み会があって二次会にカラオケに行ったときのあの曲名が思い出せない。スーパーで流れていた曲だっただろうか。いや、誰かのスマートフォンから漏れ出ていた曲だろうか。とにかく聞いた覚えがあるのに思い出せない。 思…